特定非営利活動法人 島根県障がい者就労事業振興センター

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インタビューC「株式会社めのや」関係者

インタビューC

施設外就労の取り組みを受入されている「株式会社めのや」の関係者の方に、企業の立場から今回の取り組みについて考えたことや、思い、さらに今後の展望などについて伺いました。

御社として受け入れるに至った動機や背景について教えてください。

平成19年に行政から従業員200名以上の会社は1.8%の障がい者を雇用しなければいけないという指導を受けました。当時は、6名雇用する必要があるところ2名しか雇用していない状態でした。そこから毎年障がい者の方を新卒も含めて雇用しています。去年の段階で身体障がい者の方が3名、知的障がい者の方が2名、精神障がい者の方が1名という状況です。現在従業員数が650名ですから、12名の障がい者の雇用が必要ですが、カウント数としては9名なのでまだ3名分ほど足りていません。今後従業員も毎年50人から100人ずつ増えていく状況なので、それに合わせて障がい者の方も雇用していかなければいけないという背景があります。

そんな中でセンターはばたきさんの方から会社の中で職場体験を行いたいという話を伺いまして、当社としても前向きに取り組んでいこうということで現在に至っております。(遠藤様)

「センターはばたき様」との出会いを教えてください。

当社は、おかげさまで「天然石」、「出雲型勾玉」などがキーワードの商品販売が全国的に拡大しております。そのため商品の調達から準備・出荷までの工程が非常に多忙になりました。そんなときに社内で「どこかで手を借りれるところはないだろうかね」と話をしていたところ、従業員の中に「センターはばたき」様の職員の方とご家族の者がおりまして、「それなら話をしてみます」というのが出会いのきっかけでした。実はこうした何気ない会話から人と人との繋がりで始まったということなのです。

最初は、はばたき様も「是非見学をさせてください。」「こういう仕事なら出来るかもしれない」ということで、最初は水晶チップの袋詰めといった作業から始めました。この商品は当社で年間を通じて売れている商品なので、継続的に安定的に作業をしていただけるものでした。この点ははばたき様にとっても安定して仕事があるという点がありがたいとおっしゃっていただきました。

結果として、納品いただいた商品の品質が非常に良く、丁寧に仕事をしていただけるので、それなら継続的にお願いしようということではばたき様とのお付き合いが始まりました。(稲毛様)

受入について期待や不安、配慮されたことについて教えてください。

まず、納期や商品数量、品質基準に見合った商品を納品していただけるのか、そして安定的に供給してもらえるのかどうかということの不安と期待の両方がありました。

ただ、何かあればお互いに話し合いが出来る関係もできていましたから、受入する上では不安よりは期待の方が大きかったです。(稲毛様)

受入してみての率直な感想をお聞かせください。

受入までは、はばたき様の事業所に材料を持ち帰って作業を行っていただいていました。閑散期はそれでよかったのですが、当社とはばたき様との距離が、繁忙になるに従ってロスになるということ、また作業内容の説明や指示をする際に微妙なニュアンスが電話などでは伝わりづらいと言う面も出てきました。

その点では、受入後は、横と横との繋がりというか非常にコミュニケーションもスムーズになり、また商品の仕上がり状態も更に良くなってきました。近くで作業をしてもらえることから、安定的な仕事の他にスポットの仕事や急ぎの仕事など色々な作業をお願いする機会も増えました。もちろんお願いする際には事前にはばたき様に相談して、得手不得手も考慮しつつ進めています。全体を通して、当社にとって受入は非常に有難いことだと思っています。(稲毛様)

これから期待すること、取り組むべき課題、目標などは何ですか。

当社としてやはり障がい者の雇用ということがまず取り組むべき課題です。はばたき様の場合は、当社の中で作業をいただいていますが、雇用ではないので法定雇用率のカウントにはなりません。雇用となると、監督者の配置やその人への負担の増加、また社内の周りの人への理解を深めていくということも考える必要があります。当社でもまだ全社を挙げて障がい者の受入をしていこうというところまでには至っていない状態です。 

また、中小企業ですので現在の経済状況から一般の雇用でも慎重にならざるをえない状況の中で障がい者を雇用するということは正直難しい面があります。

ただ、はばたき様との取り組みを通じて、障がい者の働きが会社にとってプラスになるということは実績として見えてきておりますので、障がい者が働きやすい環境や施設面などでバリアフリー化から初めて、将来は地域の中で「障がい者も雇用している会社」として少しでも地域社会に貢献できればと考えております。

今回のはばたき様の取り組みのような職場を体験してもらう中から雇用に繋がっていけば、良い事例になるのではないかと期待しています。(遠藤様)

これから障がい者の受け入れを検討される企業へメッセージをお願いしいます。

当社は小売業ですので、障がい者の方に店舗での販売をしていただくということは難しい面もあり、本部での仕事の中で何をしてもらうかということを悩みました。最初はやってもらう仕事がないのではないかという話もあり雇用していなかったのですが、実際は、簡単な軽作業ではなく、色々な部署で一般の方と一緒に活躍をしてもらっています。それぞれ得手不得手はあると思いますが、その人に合った仕事というのはどの会社でも探せばあると思いますので、そうした仕事を探しながら雇用に繋げていっていただければと思います。(遠藤様)