特定非営利活動法人 島根県障がい者就労事業振興センター

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インタビューA「ぽんぽん船」担当職員

インタビューA

日々、利用者の支援を行っている障がい者自立支援事業所ぽんぽん船の指導員 椿雅子様に担当者の視点で、今回の施設外就労について現場の利用者の様子や具体的な対応など率直な思いを伺いました。

この施設外就労での椿様の役割を教えて下さい。

朝、桃源に到着したら、岸様から仕事の内容を聞き、その聞いた内容を利用者さんそれぞれに合う役割に分担し、作業をしていただきます。全く新しい内容に仕事は、桃源の岸様から仕事のやり方を教えていただき、それを利用者さんにフィードバックするような役割の仕事をしています。

実際の作業は、全て利用者さんにやっていただくので、それを見ながら、やっている内容が違っていたら、きちんと指導をして直していただきます。それ以外にも働くための基本的な姿勢が身につくように指導を行っています。

ぽんぽん船で作業をする時と桃源で作業をする時の利用者さんの違いを教えてください。

私自身がぽんぽん船で作業をするより、桃源いることが多いので、あまり詳しくは言えませんが、はっきりしていることは、生き物を相手にしている仕事なので、自然は常に変化がするので、頭の切り替えを早くして作業をしていただかないと、前に中々進みません。

利用者さんも真剣に話を聞かないと作業ができないので、顔つきも休憩のときと作業をするときで大きく違っております。毎日、仕事に内容が変わってくるので、そこがぽんぽん船での作業と大きく違うところです。ですから、利用者さんが、自分から積極的に桃源の岸様に聞いて、農業の勉強をしておられる姿をよく見ます。

利用者さんが今日は気持ちが作業に向いていない場合にどういった支援が必要ですか。

仕事に気持ちが向いていない場合は、利用者さんに「今日は仕事が出来ますか」と直ぐに聞いて、もしも無理だと判断した場合は休憩を取ってもらいます。一旦休憩して、作業ができそうであれば続けてもらい、できそうになければ、その時にできる範囲の仕事をしてもらいます。様子を見ながら、体調が回復しれば仕事に戻ってもらいますが、それでも無理な時は、経験豊富な柳楽に相談し、その都度対応しています。

施設外就労で支援をすることになり不安な要素はありましたか。

正直、常に不安はありますが、不安があっても実際にその作業を利用者さんに取り組んでもらいます。その作業を取り組んでもらって、本当に無理なら、違う作業に取り組んでもらいます。

実際に、どんな仕事でもできるかどうかは、利用者さんに取り組んでもらわないと分からないので、ゆっくりでもその作業ができるようなら、ゆっくり覚えながら作業に取り組んでもらいます。そうしているうちに、少しずつでも作業のスピードが速くなってきて、新しい仕事を覚えたという自信がつくことで、それがやる気に繋がっています。だから、ゆっくりでも良いので、一つひとつの仕事を覚えて自信をつけてもらって、仕事を身につけてほしいと思っています。

施設外就労をやってきて利用者さんにどんな変化がありましたか。

一番の変化は、今まで使えなかった道具が使えるようになることです。ハサミをつかったことがない人も、桃源様で働く場合に当然、ハサミを持たなくてはいけない状況になります。最初は、ハサミを使うとうまく切れなくてグチャグチャになるのですが、グチャグチャになっても何回でもやってもらいます。やっているうちに、少しずつ慣れてきて、ハサミを使って真直ぐに切れるようになります。畑の虫が嫌いであったり、掃除が嫌いという人が実際にいても、回数を重ねていくうちに環境に慣れることが大切だと思います。

その他にも、この仕事をすることで「体力がついた」という利用者さんもおられます。桃源に来た当初は、立ち仕事で1時間も立って作業ができなくて、直ぐに座り込んでしまう利用者さんも、今では丸一日立って作業ができるように変わってきています。継続することが重要だと思います。

それ以外にも、野菜を収納する15kgのコンテナが持てなかった利用者さんも、少しずつ重たいものを持つように支援していくと、少しずつ筋力がつき、今では10kg以上のコンテナを持つことができるようになってきています。そういった体力的な変化と精神的な変かも少しずつ見えてきております。

今後、施設外就労をしていく事業所の方に支援のアドバイスがありますか。

私もこの仕事をして、まだ一年目なので手探りで、利用者さんと頑張っている状況なので、あまりアドバイスになるかはわかりませんが、一つ言えることは、私自身が働いて頑張っている姿勢を見せないと、利用者さんにそれが伝わらないということです。仕事をする姿勢を、私自身の後ろ姿をから、利用者さんに伝えるようにしています。

もう一つは、間違っていると厳しく指導した後に、直ぐに良いところを褒めるということを心掛けております。怒るときには怒る、褒めるときは褒めるということのメリハリを付けながら支援をすることを心がけております。

利用者さんから元気をもらう瞬間がどこにありますか。

常に利用者さんから元気をもらっています。私は、利用者さんが栽培ハウスで乳酸菌を入れている姿が一番好きで、その利用者さんが真剣にやっている姿を遠くから見守っています。乳酸菌を掘った穴にいれないといけないので、物凄く集中してその作業はやらないとできないです。この仕事を始めた当初と比べると、利用者さんが仕事に取り組む姿勢が大きく変わっているので、その自信をつけた姿を見るとどうしても感動します

それ以外でも、トマトを拭く作業をしていて、利用者さんが指示をきちんと理解して作業をされた結果、ピカピカのトマトが並んでいるのを見ると、この仕事をやっていて良かったと充実感を感じております。